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フレイルってなに?~健康長寿のための食事~

関川愛広苑 通所リハビリテーション
[掲載日]2021.11.04
フレイルとは、高齢者の健康状態と要介護状態の間にある「虚弱状態」を指します。
まだ介護は必要ないけれど、なんとなく体調が優れない、足腰や口周りに不安がある、
人付き合いがおっくう・・・など、年齢とともに生じる心身の衰え、それがフレイルです。
 
ある程度の衰えは高齢になれば自然なことです。
しかし、運動不足・栄養不足・刺激の低下などによる急速な衰えや、普段の心がけで予防や改善ができます。
「太りすぎ」よりも「痩せすぎ」に注意!
実は、フレイルが心配される65歳以上の高齢者にとって、太りすぎよりも痩せすぎのリスクに注意が必要です。
実際に、痩せすぎの人は太りすぎの人よりも死亡率が高くなる傾向があります。
 
皆さんの中には、メタボリックシンドローム(メタボ)を気にしている方がいるかもしれません。
しかし、高齢になってからも食事量を減らしていると、正しく栄養を摂れず筋肉が減少してしまい、フレイルが進行してしまいます。
すると要介護や寝たきりになるリスクも高まり、健康寿命がどんどん縮まってしまいます。

現在、日本では70歳以上の6人に1人が「新型栄養失調」だといわれています。
年齢とともに食が細くなる他、健康のためにと称して肉や卵、糖質が含まれる主食類を避けた食事を続けると、
3食きちんと食べているつもりでも低栄養に陥ります。
栄養が足りなければ筋肉が衰えるだけではなく、肌も髪もボロボロになり、見た目もどんどん老け込んでしまいます。
「たんぱく質」の摂取量は本当に足りていますか?
 
最近では、多くの人が栄養に対する知識をもっています。
特に「たんぱく質を多くとったほうがよい」ということは周知されるようになってきました。

実際にどれだけのたんぱく質を何から摂ればよいか? 
1日に必要なたんぱく質量は体重1㎏あたり1gとされていますが、
高齢者は若い時よりもたんぱく質を筋肉に変える力が衰えているので、体重1㎏あたり1.2~1.5gは必要です。
体重60㎏の人なら、1日に必要なたんぱく質は70~90g。
昼食に200gのサーロインステーキを1枚食べても、摂取できるたんぱく質量は約35~40gなので、
肉や魚、卵、大豆製品など、たんぱく質多めの献立を意識する必要があります。

また、「卵はコレステロールが多いから控える」のも誤った認識の1つ。
現在、食事から摂るコレステロールは、血中コレステロール値に直接影響しないとされ、摂取量の制限はありません。
特に高齢者は、コレステロール値を気にして卵や肉の摂取量を抑えるとたんぱく質量が不足するため、
過度な制限には注意が必要です。
「食欲がない」「食べる時間がない」そんな時でも工夫して栄養を!

 
たんぱく質は体内にためておけないため、毎日きちんと摂取しなければなりません。
また、カルシウムやミネラル・ビタミン、適度な糖質も必要です。
年齢を重ねるにつれて食欲が落ちてきたり、忙しい朝はたくさん食べられないといったこともあるでしょう。

そんな時は、少しでも効率的に栄養を摂取できるように工夫してみましょう。
 

朝は豆腐や海藻たっぷりの味噌汁を用意しておけば、それだけでもたんぱく質やミネラルを補えます。
納豆やゆで卵、個包装のチーズも常備しておくと便利です。

また、間食も活用しましょう。
プリンやアイスクリーム、チーズケーキなど、卵や乳製品を使ったものがおすすめです。
ナッツ類をつまみながらホットミルクや豆乳を飲むのもよいですね。

その他、サバ缶やツナ缶、焼き鳥缶などの缶詰を使ったり、
唐揚げや焼き魚、鶏の照り焼きなどたんぱく質の多いお惣菜を買ってきてもよいでしょう。
無理せず手軽に栄養摂取を毎日の習慣してしまいましょう。

関川愛広苑 通所リハビリテーション / 管理栄養士 宮村
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