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健康コラム

リハビリ

誤嚥~嚥下の体操~

新井愛広苑 通所リハビリテーション
[掲載日]2017.2.1
さて、今月のテーマは「嚥下の体操」です。
今回は声を出しながら行える「パタカラ体操」をご紹介します。
「 パタカラ体操とは… 」
年齢と伴に体の筋肉が弱ってくると、お口の周りの筋肉や舌の動きも悪くなってきます。
その予防と改善を目的とした体操の一つが「パタカラ体操」です。
パタカラ体操では食べ物を上手にのどの奥まで運ぶ一連の動作を鍛えるための体操です。
「 効 果 」
パタカラ体操には、次のような効果が期待できます。

・ 噛む力、飲み込む力の維持・向上
・ だ液の分泌の促進
・ 発音がハッキリする
・ 入れ歯が安定する
・ 表情豊かになる
・ 口呼吸ではなく、鼻呼吸に戻すことで口腔乾燥を防ぐ など

また、言葉それぞれで鍛えられる部位が異なるため、どこを鍛えているのかを意識しながら行うとより効果が期待できます。

① 「パ」
 唇は食べ物を口の中に入れて、こぼさないようにする役割をしています。
 「パ」は、唇をしっかりと閉めて発音するので、唇を閉める筋力を鍛えることができます。

②「タ」
 食べ物を噛む時や、噛み終えた食べ物を飲み込む時には、舌が上あごにグッとくっついています。
 舌が上あごについていないと、食べ物を押しつぶしたり、ゴックンと飲み込んだりすることができません。
 「タ」は上あごから下あごへ舌を打ちつけるので、食べ物を押しつぶす・飲み込む舌の筋肉のトレーニングになります。

③ 「カ」
  食べ物を飲み込み、そして食道へと送るためには、一瞬呼吸を止めることが必要です。
 この動きができなければ食べ物をスムーズに食道へと運ぶことができません。
 「カ」は舌の奥の方に力を入れて発音するので、誤嚥せずに食べ物を食道に送るトレーニングができます。

④ 「ラ」
  食べ物をお口の中まで運び、飲み込みやすいようにするためには、舌がよく動かなくてはなりません。
 「ラ」は舌をまるめ、舌先を上の前歯の裏につけて発音するので、食べ物をのどの奥へと運ぶための舌の筋肉のトレーニングができます。
  
「 方 法 」
それぞれの言葉を出来るだけ早くはっきりと連続して声に出してみましょう。
この体操はお食事前に行うと効果的です。

<1音ずつ>
・パ・パ・パ・パ・パ  ×3回
・タ・タ・タ・タ・タ  ×3回
・カ・カ・カ・カ・カ  ×3回
・ラ・ラ・ラ・ラ・ラ  ×3回

<合わせて>
・パタカラ・パタカラ・パタカラ・パタカラ・パタカラ  ×3回

最後にお口をたくさん動かすと、自然とつばがたくさん出てきます。
時々、つばもしっかりと飲み込みながら体操が出来るといいですね。
新井愛広苑 通所リハビリテーション / 言語聴覚士 橋本 一穂
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