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脳振盪(のうしんとう)について
新潟リハビリテーション病院
[掲載日]2014.02.05
皆さんは、脳振盪(のうしんとう)というとどんな状態を思い浮かべますか?[掲載日]2014.02.05
ラグビーやサッカー、柔道、ボクシングなどのスポーツをされる方は、ご自身で脳振盪を経験された方もいらっしゃると思います。
よく知られている症状は「頭部外傷後の意識消失」ですが、他にも「健忘(受傷前・受傷後の記憶が失われる)、
頭痛、嘔気、嘔吐、めまい、体のバランスがとれない、視野がぼやける、混乱状態、感情的に不安定になる、見当識障害」
などの症状があります。
ここ最近、柔道などの武道が中学校で必修化された一方で、柔道中に急性硬膜下血腫で死亡した事故があったこともあり、社会的にスポーツに起因する脳損傷についての意識が高まっています。
日本脳神経外科学会でも、昨年12月に「スポーツによる脳損傷を予防するための提言」が挙げられ、頭部外傷のガイドラインも追加・変更が行われています。
その提言の中身は
1)スポーツによる脳振盪は、意識障害や健忘がなく、頭痛や気分不良などだけのこともある。
2)スポーツによる脳振盪の症状は、短時間で消失することが多いが、数週間以上継続することもある。
3)スポーツによる脳振盪は、そのまま競技・練習を続けると、これを何度も繰り返し、急激な脳腫脹や急性硬膜下血腫など、
致命的な脳損傷を起こすことがある。
4)そのため、スポーツによる脳振盪の症状が完全に消失してから徐々に行う。
5)脳損傷や硬膜下血腫が生じたときは、原則としてコンタクト・スポーツへの競技・練習に復帰すべきでない
ということです。
この提言3)にあるように、脳振盪に関連したセカンドインパクト症候群という現象が知られるようになってきました。
セカンドインパクト症候群(二度目の衝撃症候群)とは、一度目の頭部外傷があって、二度目は一度目より軽い
頭部外傷でも、急性の脳浮腫(脳が腫れること)を生じることです。
上述のコンタクト・スポーツといわれるスポーツをされる方は、特に注意が必要です。
新潟リハビリテーション病院/リハビリテーション科医:小股 整
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