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健康コラム

家庭の医学

『去り行くもの』を眺めよう。

新潟リハビリテーション病院
[掲載日]2012.05.02
日本人の生活に洋式トイレが一般化して久しい。
若い人は、和式のトイレを見た事もないかもしれない。小学生男子の一部には、座ってオシッコする子もいると聞く。

洋式トイレになって良い点はとても多い。
しかし、残念な事に、排泄物を見ないで流している人が多くなってしまった。

排泄物は、『からだの声』を代弁(?)している。
排泄物の色・匂い・形・混入物など。
排泄物を。もっと愛おしむべきでしょう。

外来で「痰の色は?」「鼻水の色は?」「便の色は?」「匂いは?」
などと聞いても「分からない」と答える人が多くなっている。私たち医師は、排泄物の情報から
体調の多くを類推する。排泄物の検査から多くの情報を得る。

健康を考える人は、毎朝『排泄物を愛おしく眺める』習慣を身に着けよう。
じっくり眺めて、匂いをかいで、それから『さよなら』しよう。

病気の早期発見は、検診よりも『うんこを眺める習慣』の方が上だと思う。
便だけでなく、鼻をかんだら『ティッシュを開いて眺めよう』、痰を出したら、
色を眺めよう。鼻くそも耳垢も、目やにも、しっかり眺めよう。汚いなんて思っちゃダメだ。
彼らは、彼らなりの『体の声』を持っている。
新しい習慣です。

新潟リハビリテーション病院/内科医:伊東浩志
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