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健康コラム

リハビリ

睡眠不足を解消する朝と夜の過ごし方

尾山愛広苑 通所リハビリテーション
[掲載日]2023.07.05

みなさん、朝すっきり目覚めることはできていますか?

睡眠不足は学習や仕事の効率を下げ、うつ病や糖尿病、心筋梗塞などの疾病にかかるリスクや、交通事故のリスクを高めます。
睡眠不足による経済損失は15兆円とも言われており、睡眠不足が招く弊害はかなり大きいです。
今は5人に一人が睡眠不足と言われていますが、睡眠不足を自覚している人は少ないようです。

朝起きても眠くてなかなか布団から出られない、午前中の時間に眠気がある、やる気が出ない、イライラしやすいなど、思い当たることがあれば睡眠不足のサインかもしれません。
そこで、今回のコラムでは睡眠不足を解消するためのコツをお伝えします。

睡眠不足を解消するためには、朝と夜の過ごし方にポイント

があります。

朝のポイントは次の3つ。

① カーテンを開けて日の光を浴びる
1日は24時間ですが、私たちの体内時計は25時間の周期で活動と休息のリズムを刻んでいます。
日の光を浴びることで、体内時計がリセットされ、毎朝のすっきりした目覚めにつながります。

② トリプトファンを含んだ朝食をとる
トリプトファンを摂取すると、日中に日の光を浴びることでセロトニンに変わり、14~16時間後に眠りを誘発するホルモンであるメラトニンに変わります。
メラトニンそのものは食事から摂取はできないので、メラトニン生成のためには朝の食事でトリプトファンを摂取する必要があります。
トリプトファンを多く含む食材は、バナナや大豆製品、ヨーグルト、卵などです。
また、メラトニン合成のためにはビタミンB6が必要で、のりやバナナ、魚、肉、白米に多く含まれます。
和食はトリプトファンとビタミンB6を効率的に摂取できるので、積極的に取り入れるとよいでしょう。

③ ウォーキングなどの運動を行う
日中に体温が上がり、夜眠る時に体温が下がっていくことで眠気が誘発されます。
朝の運動は、深部体温を上げ、日中の活動性を向上させるためのウォーミングアップになります。
朝の散歩やジョギング、通勤や通学の際に歩くなど、取り入れやすい運動を行うとよいでしょう。

夜のポイントは次の4つ

① 部屋の照明は少し暗めに
夜も明るすぎる照明だと、私達の脳はまだ日中だと勘違いしてしまうので、日の暮れとともに照明を暖色系のものに調整すると体が眠る方向にシフトしやすくなります。

② 夕食は眠る3時間前までに摂取する。
夕食を摂取してから、消化されるまでは3時間ほど必要です。
寝ているときは体の動きが低下するため、胃腸の動きも低下します。
夕食を摂取してからすぐに眠ってしまうと消化不良になり、睡眠の質が低下します。
また揚げ物などの高脂肪食を摂取することも睡眠の質を下げるので、消化に良いものを摂取するとよいでしょう。

③ 入浴は眠る2時間前までに行う
入浴をすることで一時的に体温が上がり、その後体温が下がることで入眠しやすくなります。
熱すぎるお湯だと、交感神経が優位になってしまうので、40度のお湯に10分から15分程度浸かる方法がおすすめです。

④ テレビやスマートフォンは眠る1時間前までに
眠る前のスマートフォンの利用は、画面から発せられる光がメラトニンの分泌を抑制させるため、眠気を軽減させます。
また、面白い情報だと交感神経が優位に働き、脳が覚醒してしまいます。



眠る前には体がリラックスしている状態が理想的です。
入眠がスムーズになるように、身体がリラックスするようなストレッチはおすすめです。
ベッド上でできる簡単なストレッチをお伝えします。

 

【全身ストレッチ】

ベッドに仰向けになり、両手を上げます。両手と両足をグーっと一緒に10秒程度伸ばしましょう。
この時、息は止めず、深い呼吸を意識します。(鼻からゆっくり吸って口から吐きます。)


【体幹回旋ストレッチ】

ベッドに仰向けになり、片脚の膝を反対側に倒します。
膝を手で押さえながら倒した状態を10秒程度キープします。
反対側の膝も同じように倒してストレッチしましょう。この時も呼吸は止めず、深い呼吸を意識します。

ストレッチは痛みを感じると交感神経が働いて眠りにくくなるので、気持ちよく身体が伸びる程度に行いましょう。

尾山愛広苑 通所リハビリテーション / 理学療法士 西村
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