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正しく水分補給していますか?

関川愛広苑 通所リハビリテーション
[掲載日]2019.05.01
私たちの身体にとって栄養と同様に大切なのが「水分」。
その水分が不足する脱水症は、兆しに早く気づき水分補給することで予防できます。
○ 体に必要な「水分」

私たちは体に必要な水分を体液(血液、リンパ液、唾液、消化液、尿など)として蓄えています。
体液には、身体の状態を維持する大切な役割があります。
加齢に伴い体重が減ると、蓄えられる水分量も減ってしまいます。
血液、尿、汗の量が減ることは健康状態にも影響を与えます。
高齢者は、水分不足に陥りがちなので、特に注意が必要です。
○ 脱水症とは
1日に入る水分量と出る水分量のバランスが崩れ、体内の水分量が不足するのが脱水状態です。
不足した水分量が体重の3%以上になった状態を「脱水症」といいます。
脱水症は気温や湿度が高く汗をかきやすい夏場だけのことと思われがちですが、
空気が乾燥している秋から冬場にも注意が必要です。
○ 隠れ脱水に注意!
「隠れ脱水」とは、体重の1~2%の水分が失われ、脱水症になる手前の状態のことです。

喉が渇いたり尿量が減ったりする症状が現れますが、高齢者になると「トイレの失敗をしたくない」
「トイレに行く回数を減らしたい」「夜間にトイレに起きたくない」等の思いから、水分を摂ることを控えがちです。

本人が水分不足を自覚していないことも多いため、「隠れ脱水」を起こしやすくなります。
家族や周りの方が、生活の様子から「隠れ脱水」に気づき、適切な水分補給をすすめることで、脱水症を予防できます。

【高齢者が水分不足を起こしやすい主な理由】
① 筋肉量の減少・・・体液を最も多く含む筋肉が減ってきている
② 感覚機能の低下・・・喉の渇きを自覚する機能が低下してくる
③ 腎機能の低下・・・水分や電解質の再吸収や老廃物排出機能が低下して、排出に必要な水分が増える
④ 食事量の減少・・・食べ物からの水分・電解質摂取量が不足している
⑤ 極度に水分を控える・・・トイレに行く回数を減らしたいなどと考えている
⑥ 利尿剤の服用・・・ 高血圧や腎臓病、心不全等の持病があり、利尿剤を服用している

日常の様子から脱水症のサインを見逃さないようにしましょう。
○ 水分補給は楽に!こまめに!!

脱水症を防ぐためには、日常生活の中でこまめに水分補給することが大切です。
一度にたくさん飲んでも排泄されてしまい、蓄えられないからです。

一般的に1日あたり1,200ml以上の水分を摂ることが望ましいとされています。
コップ1杯を200mlとすると6杯以上になるため多く感じるかもしれませんが、
右図のように水を飲むタイミングを習慣づけると、続けやすいでしょう。

特に就寝前と起床時は、睡眠により長時間水分を摂れない状態が続くので、
忘れずに摂るようにしましょう。
○ 食事からも水分補給
1日の水分摂取量は、飲み物だけではなく、水分を多く含む食品に含まれる水分量も合わせて考えましょう。
例えば、お粥や雑炊、汁物、煮物、蒸し物などの調理方法変えるだけでも水分を増やすことができます。
しっかり食事を摂ることは、低栄養だけではなく脱水の予防にも大切です。

○ 出ていく水分も意識して
推奨されている水分量を摂っているつもりでも、出ていく水分があることを忘れていると、
いつの間にか水分不足となっていた、という事もあり得ます。
コーヒーや緑茶などには利尿作用があるので、水分補給のためには麦茶や水がおすすめです。
体を動かしたときには汗からの水分が失われますし、
お酒を飲んだ時にはアルコールを分解するために水分が使われます。
そのような時は、意識して多めに水分を摂りましょう。
○ 「生活の中で無理なく」が長続きのコツ
水分摂取は、日常生活の中で水分量を意識することから始まります。
しかし、高齢者は水分量を増やすことよりも、トイレの回数が増えることを気にしすぎて、
水分を摂ることは控えがちです。
飲み物を増やすだけではなく、毎日の食事やおやつからも水分補給ができるように工夫してみましょう。
実際に食べている物や量、嗜好を考慮しながら食べることを楽しむ雰囲気をつくることも、水分摂取に良い影響がでます。
関川愛広苑 通所リハビリテーション / 管理栄養士 宮村 愛
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