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リハビリ

『腹圧性尿失禁』について

相川愛広苑 通所リハビリテーション
[掲載日]2018.9.12
咳やくしゃみ、運動、大笑いなどをした時に尿が漏れたことがありませんか?
それは、『腹圧性尿失禁』かもしれません。

『腹圧性尿失禁』は、腹圧がかかった時に尿が漏れる疾患であり、生活の質に大きな影響を及ぼします。
中高年の女性の3人に1人が尿失禁の症状があり、そのうち約半数が腹圧性尿失禁であるとされています。

その原因は尿道や膀胱、子宮、直腸などの骨盤内の臓器を
骨盤の底で支える『骨盤底筋群』の筋力が弱くなることにより生じます。

女性では妊娠や出産、男性では前立腺の疾患、また共通して加齢の影響で、
骨盤底筋群や尿道をしめつける力が弱くなります。

尿失禁の治療には、手術療法・薬物療法・運動療法がありますが、
運動療法の中でも骨盤底筋群を鍛える『骨盤底筋トレー二ング』が腹圧性尿失禁に対して有用であるとされています。

そこで今回は『骨盤底筋トレーニング』を紹介します。


【 骨盤底筋トレーニング実施方法 】

・回数
 1日のうちに数回に分けて毎日実施します。

・トレーニング内容
 膣や陰茎と肛門を5~10秒間、しめ続ける持続的な収縮と、「しめる」「ゆるめる」を繰り返す
 瞬発的な速い収縮とを組み合わせたプログラムを行います。
 例)肛門を10秒しめ続ける×5回、肛門をしめたりゆるめたりする10回・1セット

・姿勢
 トレーニングを実施する際の姿勢は、仰向け、座位、立位、四つばいなどさまざまな姿勢で行います。

◆ 仰向け

◆ 座位

◆ 立位

◆ 四つばい


< ポイント >
・【男性】陰嚢を持ち上げる様に、【女性】膣を引き上げる様に、
 【共通】おしっこやおならを我慢する様に行います。
・くしゃみや咳など尿漏れが起こりそうなときには、事前に骨盤底筋群を収縮させる習慣をつけましょう。

< 注意点 >
・トレーニング中は呼吸を止めないようにしましょう。
・骨盤底筋トレーニングの効果が現れるまでには3か月かかるとされていますので、根気よく続けましょう。
相川愛広苑 通所リハビリテーション / 理学療法士 高橋
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