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あごの関節の痛みについて
新潟リハビリテーション病院
[掲載日]2013.09.04
お口を大きく開けたり、食べ物をもぐもぐかんだりするときに、下のあご(下顎)が上下に動きます。[掲載日]2013.09.04
このとき、下顎を動かすための支点になっているところがあります。
これは、顎関節と呼ばれ、顔の左右、ちょうど耳の穴(外耳孔)の前方1cm位の皮膚の下に位置しています。
長年、硬い食品を頻回にかみ続けたり、無意識のうちに強くくいしばったり、睡眠中の歯ぎしりが
習慣になっていると、顎関節の中で、クッションのように緩衝材の役割を果たしている『関節円板』という
比較的やわらかい組織の一部が硬くなってきます。
そのうちに、この『関節円板』が急にずれてしまう場合があります。
そうなると口を開けるときにずれた円板が下顎の動きを邪魔してしまい、口が開きにくくなったり、
強くかみしめたりするときに痛みが生じたりします。
症状が軽度のときには痛みもなく、顎関節内でカクカク音がする程度なのですが、重度になると、
口を大きく開けられなくなったり、硬い食品を食べると痛みを伴うことになります。
このような症状をもつ疾患を、顎関節症と診断しています。
この顎関節症に対しては、
①食生活や寝かた、ストレス等の生活習慣の改善に加え、
②下顎の運動療法、
③顎関節周囲への深部加温、
④顎関節受動術、
⑤睡眠時、口腔内にスプリントを着用するスプリント療法等の治療があります。
一過性であれば、自然に回復することもありますが、1週間以上続くような場合や、急に口が開かなくなってしまったら、
位置異常をおこした『関節円板』を、早く元にもどす治療が必要になりますので、なるべく早く歯科口腔外科を
受診されたほうが良いでしょう。
新潟リハビリテーション病院/歯科医:今井信行