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健康コラム

家庭の医学

エコノミークラス症候群にご注意

新潟リハビリテーション病院
[掲載日]2013.09.04
旅行や帰省などで長時間乗り物に乗るとき、気をつけたいのが『エコノミークラス症候群』(深部静脈血栓症、
肺血栓塞栓症)です。同じ姿勢で長時間座っていることで、脚の静脈に血栓(血のかたまり)ができ、
それが血流に乗って肺に流れて、肺の血管を詰まらせてしまうことを言います。

飛行機のエコノミークラスで起こりやすいことから、『エコノミークラス症候群』と呼ばれていますが、
実際には座席の種類に関係なく起こり、『ロングフライト血栓症』とも呼ばれます。
さらに列車やバスでも発症の可能性があります。また、タクシー運転手や長距離トラック運転手の発症も報告されています。

<症状>
深部静脈血栓 : 下肢の重さ、だるさ、痛み、腫れ、皮膚が赤くなる(左脚に起こりやすい)
肺血栓塞栓症 : 呼吸困難、胸痛、動悸、冷や汗、血圧低下、失神、突然死
        飛行の直後~数日後におきやすいが、数か月後におきることもあります。

<予防>
1)機内では、2~3時間ごとに歩く(トイレに立つ)、あるいは下肢の屈伸運動などを行う。
2)着席中でも足の指を動かす、かかとの上げ下げを行う、足踏みをする、ふくらはぎを軽くもむ、
  などで、下肢に血液が滞らないようにする。
3)アルコール類やコーヒーは利尿作用があるので控える。
4)こまめに水分摂取を行い、脱水にならないように気を付ける。
5)窓側席に座るより、通路側に座る方が席を離れるなど移動しやすくなる。
6)腰や下肢を締め付けるような着衣は避ける。
7)弾性ストッキングを着用する。
8)悪性腫瘍、心不全、最近の手術、外傷、肥満、下肢静脈瘤、妊娠、経口避妊薬内服、
               先天性ないし後天性の血栓性素因、過去にエコノミークラス症候群になった、などは
               エコノミークラス症候群を起こす危険が高いです。飛行の前に主治医にご相談ください。

新潟リハビリテーション病院/リハビリテーション科医:小股 整
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