愛広会のデイ日和 HOME > 健康コラム > [歯と健康] お正月のお餅に要注意!

健康コラム

歯と健康

お正月のお餅に要注意!

新潟リハビリテーション病院
[掲載日]2012.12.10
師走も中旬となり、1年の締めくくりが近づいてきました。これからクリスマスやお正月と楽しい行事が続きます。
お正月の郷土料理として、おせち料理、お雑煮、のっぺなどを食べるご家庭も多いことと思います。
ご高齢の方は、これらの郷土料理の中でも、お餅が好きな方が多いようです。

煮ても良し、焼いても良しのこのお餅ですが、おいしさばかりではなく、危険な一面も持ち合わせています。
残念ながら、人は加齢とともに、筋肉が衰えてきます。当然、飲み込む力も低下してきます。
一度にたくさんの食べ物がのど(咽頭)に送られると、うまく処理できなくなる場合もあります。
お口から咽頭にかけては、食べ物の通り道であるとともに、呼吸をするための空気の通り道でも
あります。固体や液体である食物と、気体である空気という物性の異なるものを、うまく交通整理して
食べ物は食道に、空気は気管・肺に、きちんと送りこまなければ大変なことになります。
特に食物が気管の方に間違って多量に流れ込む(誤嚥)と、肺炎(嚥下性肺炎)に罹患する可能性が
とても高くなりますし、餅のように粘着性のある食品は、咽頭に張り付いて、気管の入り口をふさぎ、
窒息してしまう可能性もあります。

お正月の楽しいひと時が、一変して緊急事態に変貌することになります。
そんな悲しいことにならないためにも、お年寄りがお餅を食べられる時には、一度にたくさん、
お口の中に入れようとしていないか、良く噛んで、ちゃんと飲み込めているか、十分な見守りが必要と思います。

気を配りながら新年をお迎えください。それでは皆様、良いお年を!

新潟リハビリテーション病院/歯科医:今井信行
戻る
ページのトップへ