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健康コラム

歯と健康

よく噛んで飲み込む機能

新潟リハビリテーション病院
[掲載日]2014.02.05
食事は、生きていくために必要な行為であるとともに楽しみの一つでもあります。
この喜びをいつまでも享受するためには、よく噛んで(咀嚼して)、しっかり
飲み込む(嚥下する)ことが大切になります。ふつうは無意識のうちに、
スムーズに行われている機能なのです。

ところが、御高齢になられたり、脳梗塞や脳内出血などの脳血管疾患に罹患されたり、
他の疾患でも長期間臥床されると、噛む力や飲み込む力が弱くなり、食事が
うまくできなくなることがあります。これは、摂食・嚥下障害とよばれているものです。

健常高齢者の場合、炭酸飲料を飲むと、むせやすくなり、飲みにくくなることで
感じ始める方もおられます。さらに、お茶や味噌汁でもむせ始めたら、飲み込む機能に
何か問題が生じてきている可能性があります。

この嚥下機能が低下してくると、液状食品は、固形食品よりも、のど(咽頭)での
通過スピードが速いので、うまく食道に入らず、呼吸をする気管の方に流れ込んでしまいます。
気管は肺につながっていますから、肺の奥に入ると、出しにくくなり、肺炎(嚥下性肺炎あるいは誤嚥性肺炎)を
引き起こす危険性があります。

脳血管疾患で入院されている場合、食事の開始にあたり、うまく咀嚼して、危険なく嚥下できるかを判断されます。
うまくできない場合には、機能回復のためにリハビリが必要になります。状況に応じて、食事メニューも工夫され、
より食べやすく、飲みやすいメニューに変更されます。退院後は在宅で、食事の工夫が必要になります。

この摂食・嚥下障害には、多くの職種の方々が連携して取り組んでいます。

新潟リハビリテーション病院/歯科医:今井信行
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