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健康コラム

家庭の医学

摂食・嚥下障害のリハビリテーション

新潟リハビリテーション病院
[掲載日]2013.10.02
残暑も落ち着き、食欲の秋となりました。
皆さんもご存知のように、心身を健康に保つためには、栄養バランスのとれた食事を
おいしくとることが大切です。


『食』は、人間のQOL(人生・生活の質)の左右する重要な鍵です。
この『食』を実際に営んでいるのは、私たち一人ひとりの摂食・嚥下機能です。
摂食・嚥下機能とは、食べ物や飲み物を認識してから、口の中に取り込み、胃まで送る一連の働きを言います。
おいしく食べるためには、食べ物の質ももちろん大切ですが、摂食・嚥下機能が十分に働く必要があるのです。

【摂食・嚥下障害とは?】
摂食・嚥下障害とは、食べ物や飲み物がうまく飲み込めない状態を言います。
そのため、食べ物や飲み物が、食堂ではなく気管から肺に入ってしまうことになり、肺炎を起こす可能性が高くなります。
さらに、食べ物を認識することや、口内への送り込み、咀嚼などもこの障害に関わってきます。

摂食・嚥下障害の原因としては、脳血管障害の後遺症、パーキンソン病などのように、食物の飲み込みに関係する神経に
異常がある場合と、口・のど・食道など食べ物の通り道にできる病気(腫瘍など)の場合、があります。
また、加齢によっても徐々に摂食・嚥下機能は低下してきます。

症状としては、『食べ物が飲み込みにくい』『食事中にむせる』『お茶を飲むとむせる』『のどに食べ物が残る感じがする』
などの自覚症状のほか、『やせてきた』『食事を食べようとしない』『食事の時間が長くなった』『食事中や食事後に
むせや咳がみられる』『ときどき熱が出る』『体重が減少している』などの他覚症状があります。
このような症状があるときは、摂食・嚥下障害を疑う必要があります。

治療としては、言語聴覚士による摂食・嚥下リハビリが中心ですが、食事の体勢を工夫したり、食事の形態を変更したり、
とろみ剤を用いたりすることで、むせや誤嚥が減り、肺炎を予防できる場合も多いのです。
このような症状が気になる方は、お近くのリハビリテーション科や口腔外科、耳鼻科を受診されると良いと思います。

新潟リハビリテーション病院/リハビリテーション科医:小股 整
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