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健康コラム

家庭の医学

大地のリズムを感じる

新潟リハビリテーション病院
[掲載日]2013.06.05
ジャンベという、西アフリカの太鼓をご存知でしょうか。
この太鼓は不思議なもので、ちょっと手で叩いただけで、なぜか大地と生命のリズムが
感じられてきます。天気が良いときに広いところで叩くと、音のひろがりと一緒に心も
広がる感じがして、とても気持ちがいいものです。

この太鼓の造りは簡単で、木をくり抜いたものに、片面に
ヤギの皮を張って出来ています。
基本的な音は、低音、中音、高音と3種類あり、その組み合わせで
リズムをつくります。

西アフリカには、ジャンベの他にも、バチで叩くドゥンドゥンという、大・中・小太鼓もあり、
これらで合奏すると迫力も増します。


西アフリカには伝統的に伝わる曲もたくさんあるわけですが、文字のない太古からどうやって伝わったのでしょう?
もともと、楽譜などの伝授法はありません。すべて見て聴いてまねることで、覚えるのです。
(もちろん現在ではリズム譜があります。)

なかでも面白いのは、リズムフレーズ(一連のリズムのつながり)の覚え方です。
それは『声に出すことのできるリズムは、いずれ叩けるようになる』というもの。
たとえば、『ドン・トト・ッカ』などのリズムフレーズをいきなり叩きながら覚えるの
ではなく、まずその通りに口で唱えられるように何回も練習してから、その次に
そのリズムを口で唱えながら実際に叩く、ということです。

実際の日常の動作でも、その動作の擬態語をあえて声に出すと、動作そのものが
スムーズになることは、NHKの『ためしてがってん』でも紹介されたことがあります。
たとえば、跳び箱を飛ぶとき、『タッタッタッタットッヒュッ』のように、助走から踏切り、ジャンプに
あわせて声を出して練習したほうが良い、というのです。

これは、声を出すことで大脳からの意識的なブレーキを抑えて、小脳からの無意識下の信号を
使いやすくするためのひとつの方法だそうです。

音や音楽は、人により好みは十人十色、さまざまです。
自分が好きな音やリズム、はたまた香りや色を知り、追求することができたら素晴らしいと思います。

新潟リハビリテーション病院/リハビリテーション科医:小股 整
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